イオントラップとは、電場磁場を用いて超高真空中にイオンを捕捉する技術である。さらに、レーザ冷却と呼ばれる技術を用いてイオンを静止させると、イオンは様々な外乱から解放され、そのイオンが吸収する光の周波数を極めて正確に決定することができる。
本研究室では、このイオンの吸収信号を基準にして極めて安定なレーザを構成し、先程述べた光シンセサイザのための基準発振器や周波数標準を開発する研究を行っている。
イオントラップは量子計算機を実現する有力な候補でもある。量子計算機とは量子論的効果を利用した計算機であり、超並列計算が可能であるため、現在では時間的制約により事実上計算不可能な問題を解くことができるとして各方面から注目を浴びている。本研究室でも現在、量子計算機の実現に向けた研究が行われている。